〜まずは“理由を整理する”ところから始めましょう〜
「値上げをお願いしないといけない。でもどう伝えたら…?」
そんな悩みを抱える中小企業の経営者・担当者は多いものです。
実は弊社でも本年後半くらいから随時価格改定のお願いをしています。
サーバーの電気代高騰や回線費用、ドメインなどの値上げが続き、適正な品質を維持するのが難しくなってきたのが主な原因です。
インターネット関係はドル決済も多く、価格自体は上あがってなくても、円安の為に実質値上げとなってしまっているケースも多かったです。(2年間でドル決済→日本円支払いは1.5倍くらいになりました…とほほです…)
値上げは企業にとってもお客様にとってもデリケートなテーマ。
しかし、きちんと理由を伝えればお客様は理解してくれるケースがほとんどです。
そのために重要なのが、値上げを伝える前に 「なぜ値上げが必要なのか」を整理すること。
この記事では、担当者が最初に読むべき“準備編”として、基本ポイントをわかりやすく解説します。
1. 値上げの背景(理由)を明確に整理する
まず最初に行うべきは、値上げの「理由」を書き出すことです。
理由が曖昧なままだと、お客様に説明する際にも説得力が弱まり、クレームにつながる可能性もあります。
昨今の値上げの背景として代表的なのは以下の通りかと思われます。
✔ 原材料費の高騰
仕入れ価格が年々上がり続けているケース。
✔ 人件費の上昇
最低賃金の引き上げ、採用コストの増加、労働環境改善による負担。
✔ 物流コストの増加
燃料費や配送コストの上昇により、納品コストが増えている。
✔ サービス品質維持のための投資
サーバー代・システム費・サポート体制強化など。
✔ 価格据え置きが続き、現状のサービスクオリティを維持できない
“企業努力だけでは吸収できない”状態まで来ていることを示す。
これらを「できるだけ具体的に」整理することで、お客様へ誠実に説明できる準備が整います。
2. 値上げの“目的”もセットで説明できるようにする
値上げは単に「負担を増やす」ものではなく、
サービス品質を維持・向上するための投資です。
そのため、目的を明確にしておくと、お客様は納得しやすくなります。
✔ 目的の例
- 納期を安定させたい
- アフターサポートを充実させたい
- スタッフ教育に投資し、品質向上を図りたい
- より安全で安心して使える商品にアップデートしたい
「値上げ=値段が上がるだけ」ではなく
「企業として成長するための前向きな取り組み」であることを伝えるのがポイントです。
3. 値上げ内容を“正確に”伝えられるように準備する
値上げ連絡では、以下の内容を整えておく必要があります。
✔ 変更後の価格
✔ 何月何日から適用か
✔ 対象となる商品・サービス
✔ 移行措置があるか(旧料金がいつまで適用か)
情報が曖昧だと、お客様は不安になり、問い合わせやトラブルが増えてしまいます。
4. お客様への影響も事前に想定しておく
どのような質問が来るのか、反応を予測しておくことで、後の負担が減ります。
✔ よくある質問
- 「なぜ値上げするの?」
- 「なぜ今なの?」
- 「どのくらい上がるの?」
- 「これまでと何が変わるの?」
事前にQ&Aを作っておくと、スタッフ間でも回答のブレがなくなり、
お客様に安心していただけます。
5. 誠実さ・丁寧さを第一に考えることが何より重要
値上げは“伝え方”によって印象が大きく変わります。
✔ NG例
- 一方的な通知
- 「仕方ないから上げる」という態度
- 感情の入らない定型文だけの連絡
✔ OK例
- お客様への感謝と誠意を冒頭に
- 値上げの理由をわかりやすく
- 今後も変わらず努力する姿勢を伝える
いちばん大切なのは、「誠意」「真摯さ」「丁寧さ」です。
まとめ:事前準備こそ、値上げコミュニケーション成功の鍵
値上げを伝えるのは勇気が必要ですが、
しっかりと理由を整理し、誠実に説明すれば、お客様は理解してくれます。
✔ 値上げ時の基本ポイント
- 原価・人件費・物流費など背景を整理する
- 値上げの目的を明確にする
- 内容を正確に伝えられる状態にする
- 想定質問に備える
- 誠実で丁寧な伝え方を心がける
まずはこの記事を“準備編”として、
値上げ案内の文章づくりを進めてみてください。
