「サーバーが古いと言われたので、そろそろ引っ越したほうがいいらしい」
「ホームページの表示が遅くなってきた」
「WordPressを更新できないので、新しいサーバーへ移したい」
そんな理由からサーバー移転を考え始めたものの、
「でも、何から始めればいいの?」
と困ってしまう企業担当者の方は少なくありません。
特に中小企業では、
「ホームページを作った制作会社と連絡が取れない」
「当時の担当者がすでに退職している」
「サーバーやドメインを誰が契約したのか分からない」
「管理画面のパスワードが見つからない」
といったこともよくあります。
サーバー移転と聞くと、専門的で難しい作業に感じるかもしれません。
しかし、最初からすべての情報を完璧にそろえる必要はありません。
まずは、今分かっている情報と分からない情報を整理することが第一歩です。
今回は、Webに詳しくない方にも分かりやすく、サーバー移転を考えたときに最初に確認したい5つのポイントをご紹介します。
そもそも「サーバー移転」とは?
ホームページのサーバー移転とは、簡単に言えば、ホームページのデータを現在のサーバーから別のサーバーへ引っ越すことです。
家の引っ越しで例えるなら、
- ホームページのファイル
- 画像
- WordPressなどのCMS
- データベース
といった「荷物」を、新しい「家」であるサーバーへ移動するイメージです。
ただし、ホームページの場合は、単にデータをコピーすれば終わりとは限りません。
会社によっては、
- 独自ドメイン
- 会社のメールアドレス
- お問い合わせフォーム
- WordPress
- 外部サービスとの連携
- SSL証明書
なども関係しています。
そのため、何も確認せずに移転を始めると、
「ホームページは移ったけれど、メールが使えなくなった」
「お問い合わせフォームからメールが届かない」
「一部のページだけ表示されない」
といったトラブルが起こることがあります。
まずは、現在のホームページがどのような仕組みで動いているのかを整理することが大切です。
1. 現在使っているサーバーを確認する
最初に確認したいのは、
「今、どこのサーバーを使っているのか」
です。
意外かもしれませんが、自社のホームページがどのサーバーで動いているのか分からない企業は珍しくありません。
特に、
- ホームページを作った会社にすべて任せていた
- 10年以上前に契約した
- 当時の担当者が退職している
- 請求書だけ経理部門に届いている
- 制作会社名義で契約されている
といった場合は、契約状況が分からなくなりがちです。
まずは、
- サーバー会社の名前
- 契約者名
- 契約プラン
- 管理画面のログイン情報
- 契約更新日
- 支払い方法
などを確認してみましょう。
サーバー会社から届いているメールや請求書が手がかりになることもあります。
ただし、すべて分からなくても、ホームページのURLやドメイン情報などから、現在利用している環境をある程度調査できる場合もあります。
「サーバー会社が分からないから移転できない」と、すぐに諦める必要はありません。
2. ドメインの管理状況を確認する
次に重要なのがドメインです。
ドメインとは、
「example.co.jp」
のような、ホームページの住所にあたるものです。
サーバーを移転しても、基本的には今まで使っていたドメインをそのまま利用できます。
つまり、お客様にホームページの新しいURLを案内し直す必要はありません。
しかし、そのためにはドメインの管理情報を確認する必要があります。
チェックしたいのは、
- どこの会社でドメインを管理しているか
- 誰の名義で契約しているか
- 管理画面へログインできるか
- 更新期限はいつか
- DNS設定を変更できるか
といった点です。
特に注意したいのが、制作会社や以前の担当者の名義でドメインが管理されているケースです。
制作会社と連絡が取れなくなると、DNSの変更ができず、サーバー移転を進められないことがあります。
会社のホームページで使用する重要なドメインは、できるだけ自社で契約状況を把握しておくことをおすすめします。
3. メールも同じサーバーを使っていないか確認する
サーバー移転で特に注意したいのが、会社のメールです。
たとえば、
「info@example.co.jp」
「tanaka@example.co.jp」
といった独自ドメインのメールアドレスを利用している場合、そのメールがホームページと同じサーバーで動いていることがあります。
この確認をせずにサーバーを切り替えると、
「ホームページは表示されるけれど、会社のメールが突然使えなくなった」
という事態になりかねません。
まずは、
- どんなメールアドレスを使っているか
- 利用人数は何人か
- どのメールサービスを利用しているか
- ホームページと同じサーバーなのか
- Google WorkspaceやMicrosoft 365を利用しているか
- メールデータの移行が必要か
を確認しましょう。
また、サーバー移転後には、
- SPF
- DKIM
- DMARC
など、メールのなりすまし対策に関するDNS設定も確認が必要になることがあります。
これらの設定が適切でないと、
「メールは送信できたように見えるのに、相手に届かない」
「迷惑メールフォルダに入ってしまう」
という問題が起きることがあります。
ホームページのサーバー移転では、メールへの影響を必ず事前に確認することが重要です。
4. ホームページがどんな仕組みで作られているか確認する
次に確認したいのが、現在のホームページの仕組みです。
たとえば、
- WordPress
- Movable Type
- EC-CUBE
- 独自開発のCMS
- HTMLで作られた静的サイト
- PHPを使ったWebシステム
などがあります。
特に古いホームページでは、
「WordPressだと思っていたら、独自のCMSだった」
「一部だけ別のシステムが動いていた」
「お問い合わせフォームだけ古いPHPで作られていた」
ということもあります。
また、WordPressの場合でも、
- WordPress本体のバージョン
- PHPのバージョン
- 使用しているテーマ
- 使用しているプラグイン
- 独自カスタマイズの有無
によって、移転の難易度が変わります。
古いホームページをそのまま新しいサーバーへ移しても、新しいPHP環境では正常に動かないことがあります。
そのため、
「データをコピーできるか」だけでなく、「新しい環境で正常に動くか」
まで確認する必要があります。
5. 誰がホームページを管理しているのか整理する
最後に確認したいのが、現在の管理体制です。
中小企業では、
「制作会社に全部任せていた」
「前任者しか分からない」
「社内で詳しい人がなんとなく管理していた」
ということも少なくありません。
まずは、
- ホームページを制作した会社
- 現在の保守会社
- サーバーの契約者
- ドメインの契約者
- WordPressの管理者
- メールの管理者
を整理してみましょう。
実は、これらがすべて同じ会社とは限りません。
たとえば、
「ホームページはA社が制作」
「サーバーは自社契約」
「ドメインは以前の制作会社が管理」
「メールはGoogle Workspace」
というケースもあります。
この関係が分からないままサーバーを移転すると、思わぬところに影響が出ることがあります。
誰が何を管理しているのかを整理するだけでも、移転の全体像がかなり見えやすくなります。
5つの情報が全部そろっていなくても大丈夫?
ここまで読むと、
「うちはほとんど分からない……」
と不安になる方もいるかもしれません。
しかし、最初からすべての情報がそろっていなくても、必ずしも問題ありません。
たとえば、
- ホームページのURLしか分からない
- WordPressの管理画面には入れる
- サーバー会社からのメールは残っている
- 過去の請求書がある
- ドメイン更新の案内メールが届いている
といった情報が手がかりになることがあります。
大切なのは、
「分からないから何もできない」と諦めるのではなく、「何が分かっていて、何が分からないのか」を整理することです。
相談する際も、
「サーバーは分かりません」
「ドメインの契約者が不明です」
「WordPressのパスワードだけあります」
という状態で構いません。
分かる情報から調査を進められる場合があります。
制作会社と連絡が取れない場合はどうする?
サーバー移転の相談で多いのが、
「ホームページを作った会社と連絡が取れなくなった」
というケースです。
制作会社が廃業していたり、担当者が退職していたり、長期間連絡を取っていなかったりすることがあります。
まず確認したいのは、
- サーバーの契約名義
- ドメインの契約名義
- 自社に残っているログイン情報
- 過去の請求書や契約書
- 制作会社から届いたメール
です。
サーバーやドメインが自社名義で契約されていれば、パスワードの再発行などによって管理権限を取り戻せる可能性があります。
一方、制作会社名義で契約されている場合は、状況によって対応が難しくなることもあります。
だからこそ、問題が起きてからではなく、連絡が取れるうちに契約状況を確認しておくことが大切です。
サーバー移転でよくある失敗
サーバー移転では、次のようなトラブルが起きることがあります。
- ホームページが表示されなくなった
- 画像が一部表示されない
- WordPressの管理画面に入れない
- お問い合わせフォームからメールが届かない
- 会社のメールが送受信できなくなった
- SSLの警告が表示される
- 古いPHPプログラムが動かない
- DNSの切り替え後、一部の人だけ旧サイトが表示される
こうしたトラブルを防ぐには、移転前の調査が重要です。
特に、
「ホームページだけ移せばいいと思っていたら、実はメールも同じサーバーだった」
というケースには注意が必要です。
移転前に影響範囲を整理し、必要なバックアップを取得したうえで作業を進めることをおすすめします。
サーバー移転は「新しいサーバーを契約すること」から始めなくてもいい
サーバー移転を考えると、
「まず新しいサーバーを契約しないと」
と思うかもしれません。
しかし、現在のホームページの状況が分からない段階で、新しいサーバーを決める必要はありません。
先に、
- 現在のサーバー環境
- ホームページの仕組み
- 必要な容量
- PHPやデータベースの要件
- メールの利用状況
- アクセス数
などを確認したほうが、新しい環境を選びやすくなります。
場合によっては、
「今のサーバーのままで問題ない」
という結論になることもあります。
サーバー移転そのものを目的にするのではなく、
これからも安全で安定したホームページ運営を続けられる環境を選ぶこと
が大切です。
移転前に整理したい5つのこと
サーバー移転を考え始めたら、まずは次の5つを確認してみましょう。
- 現在使っているサーバーはどこか
- ドメインはどこで、誰が管理しているか
- 会社のメールも同じサーバーを使っていないか
- ホームページはどんなCMSやシステムで作られているか
- 誰が何を管理しているのか
すべて分からなくても問題ありません。
「1と3は分かるけれど、2と4は分からない」
という状態でも、十分なスタートです。
まとめ:分からないことを整理することが、サーバー移転の第一歩です
サーバー移転を考えたとき、
「専門用語が多くて分からない」
「ログイン情報が見つからない」
「制作会社と連絡が取れない」
「前任者が退職して、何も引き継がれていない」
ということは珍しくありません。
だからといって、最初からすべてを自社で調べる必要はありません。
まずは、
- ホームページのURL
- 分かっているログイン情報
- サーバーやドメインから届いたメール
- 過去の請求書や契約書
- 現在使っているメールアドレス
など、手元にある情報を整理してみましょう。
そして、
「何が分かっていて、何が分からないのか」
が見えてくれば、次に何を調べればよいかも分かりやすくなります。
「サーバーが古いと言われたけれど、何から始めればいいか分からない」
「制作会社と連絡が取れない」
「担当者が退職して、管理情報が残っていない」
「ホームページとメールがどういう仕組みなのか分からない」
そんな場合は、すべての情報がそろっていなくても、まず現在の状況を整理するところから相談してみてはいかがでしょうか。

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