「このホームページ、もう10年以上使っているけれど大丈夫かな?」
「サーバー会社から何か案内が来ていたけれど、よく分からないのでそのままにしている」
「ホームページを作った担当者が退職して、誰が管理しているのか分からない」
中小企業のホームページでは、このような状態が決して珍しくありません。
それでもホームページが普通に表示されていれば、
「今も動いているから、とりあえず大丈夫だろう」
と思ってしまうのも自然なことです。
しかし、ホームページは見た目が変わっていなくても、その裏側ではサーバー、PHP、CMS、SSLなど、さまざまな仕組みが動いています。
そして、これらの環境が古くなると、
- WordPressなどのCMSを更新できない
- セキュリティ上の弱点が残る
- 突然ホームページが表示されなくなる
- 表示速度が遅くなる
- 検索やユーザー体験に悪影響が出る
といった問題につながることがあります。
今回は、「古いサーバーを使い続けているかもしれないけれど、何を確認すればいいのか分からない」という企業担当者の方に向けて、まず知っておきたいポイントをご紹介します。
「古いサーバー」とは、何が古いの?
「サーバーが古い」と聞くと、古いパソコンのような機械をイメージするかもしれません。
もちろん、サーバーの設備自体が古くなることもありますが、ホームページ運営で問題になりやすいのは、主にその中で動いているソフトウェアやシステムです。
たとえば、
- PHPのバージョン
- WordPressなどのCMS
- プラグインやテーマ
- データベース
- SSL・暗号化方式
- Webサーバーのソフトウェア
などです。
これらには、それぞれ更新やサポートの期限があります。
古いバージョンのまま使い続けると、新しいセキュリティ対策が提供されなくなったり、最新のWordPressやプラグインが動かなくなったりすることがあります。
つまり、
「ホームページが表示されている=安全で問題がない」
とは限らないのです。
「今は動いているから大丈夫」が危険なことも
古いサーバー環境の難しいところは、問題が起きる直前まで普通に動いていることです。
昨日まで問題なく表示されていたホームページが、
- サーバー会社の仕様変更
- PHPバージョンの変更
- SSL証明書の問題
- WordPressやプラグインの更新
- 外部サービスの仕様変更
などをきっかけに、突然動かなくなることがあります。
特に長年ほとんど手を入れていないホームページでは、
「怖くてWordPressを更新できない」
「PHPを新しくするとサイトが壊れる」
「プラグインが古すぎて最新版に対応していない」
という状態になっていることもあります。
こうなると、単純に更新ボタンを押せば解決する問題ではありません。
場合によっては、古い環境のまま慎重に調査し、新しいサーバーへ移転したり、ホームページ自体を改修したりする必要があります。
PHPが古いと何が問題なの?
PHPは、WordPressをはじめ、多くのホームページやWebシステムを動かすために使われているプログラム言語です。
普段ホームページを見るだけでは、その存在を意識することはほとんどありません。
しかし、PHPにもバージョンがあり、古いものはサポートが終了します。
サポートが終了したPHPを使い続けると、
- セキュリティ修正が提供されない
- 最新のWordPressが対応しなくなる
- 新しいプラグインを利用できない
- サーバー会社の対応終了によって突然使えなくなる可能性がある
といった問題が出てきます。
ただし、
「PHPが古いから、すぐ最新版に変更しよう」
という対応も注意が必要です。
古いホームページでは、PHPを新しくした途端に、
- 画面が真っ白になる
- エラーが表示される
- お問い合わせフォームが動かなくなる
- 管理画面に入れなくなる
といったことがあります。
そのため、PHPを変更する前には、現在のホームページが新しい環境でも正常に動くか確認することが重要です。
WordPressやCMSを更新できない状態になっていませんか?
WordPressなどのCMSも、定期的に更新されています。
新機能の追加だけでなく、セキュリティ上の問題を修正するためのアップデートも行われます。
しかし、古いサーバー環境では、
「PHPが古くてWordPressを更新できない」
ということがあります。
さらに、
「WordPressが古いからプラグインを更新できない」
「プラグインが古いからPHPを新しくできない」
というように、複数の問題が絡み合うこともあります。
こうなると、
古いPHP → 古いWordPress → 古いプラグイン → 更新できない
という状態から抜け出せなくなります。
見た目は普通に表示されていても、内部では何年も更新できない状態になっているかもしれません。
セキュリティ面では何が心配?
古い環境を使い続ける大きなリスクのひとつが、セキュリティです。
特に、
- 古いWordPress
- 更新されていないプラグイン
- 使っていない古いテーマ
- サポート終了済みのPHP
- 長期間変更されていないパスワード
などが残っている場合は注意が必要です。
攻撃者は、特定の有名企業だけを狙うとは限りません。
インターネット上を自動的に巡回し、古いプログラムや既知の脆弱性が残るホームページを探す攻撃もあります。
そのため、
「うちは小さな会社だから狙われない」
とは言い切れません。
感染や改ざんが起きると、
- 知らないページを大量に作られる
- 海外の怪しいサイトへ転送される
- 「危険なサイト」と警告される
- 検索結果に知らない外国語ページが表示される
- お問い合わせフォームから迷惑メールが送信される
といった被害につながることがあります。
問題が起きてから復旧するよりも、まず現在の環境を把握しておくほうが負担を抑えやすくなります。
SSLは入っているから大丈夫?
ホームページのURLが「https://」から始まり、ブラウザに鍵のマークが表示されていれば、通信はSSLによって暗号化されています。
これは非常に重要なことです。
ただし、
「SSLが入っている=ホームページ全体が安全」
という意味ではありません。
SSLは、主に利用者とサーバーの間の通信を暗号化する仕組みです。
そのため、WordPressやプラグインに脆弱性があったり、管理画面のパスワードが漏れていたりすれば、別の方法で攻撃を受ける可能性があります。
また、古いサーバー環境では、古い暗号化方式が使われていたり、新しいブラウザやサービスとの互換性に問題が出たりすることもあります。
SSLだけを見るのではなく、サーバー環境全体を確認することが大切です。
古いサーバーは表示速度にも影響する?
サーバーやシステム環境が古い場合、ホームページの表示速度にも影響することがあります。
たとえば、
- PHPの処理速度が遅い
- サーバーの性能が低い
- データベースが肥大化している
- 古いプログラムが大量に動いている
- 画像が最適化されていない
といった原因があります。
もちろん、ホームページが遅いからといって、すべてサーバーが原因とは限りません。
しかし、
「ページを開くまで何秒も待つ」
「管理画面が非常に重い」
「アクセスが増えるとサイトが止まる」
という場合は、一度サーバーやシステム環境を確認してみる価値があります。
表示が遅いホームページは、訪問者が途中で離脱する原因にもなります。
また、ページの表示速度やユーザー体験は、検索を考えるうえでも無視できない要素です。
検索順位にも影響するの?
「サーバーが古いと、Googleから直接ペナルティを受けるの?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
単純にサーバーが古いという理由だけで、必ず検索順位が下がるわけではありません。
しかし、古い環境が原因で、
- ホームページが頻繁に停止する
- ページの表示が極端に遅い
- Googleが正常にページを確認できない
- SSLやセキュリティ上の問題が発生する
- 感染によって大量のスパムページが作られる
といった状態になれば、結果的に検索やユーザー体験へ悪影響を与える可能性があります。
つまり、問題は「古いこと」そのものではなく、
古い環境によって、正常で安全なホームページ運営を続けられなくなること
なのです。
こんな状態なら、一度確認をおすすめします
次のような状態に心当たりはないでしょうか。
- ホームページを5年以上ほとんど改修していない
- WordPressをいつ更新したか分からない
- PHPのバージョンを知らない
- サーバーの契約内容を把握している人がいない
- ホームページを作った会社と連絡が取れない
- 前任の担当者が退職している
- サーバー会社からの重要なお知らせを読んでいない
- バックアップがあるか分からない
- WordPressの管理画面に大量の更新通知が出ている
- 「古いPHPを使用しています」という警告が表示される
ひとつでも当てはまるからといって、すぐに危険というわけではありません。
ただ、
「現在どういう状態なのか、誰も分からない」
のであれば、一度確認しておくことをおすすめします。
サーバー移転は、問題が起きる前のほうが進めやすい
古いサーバーから新しいサーバーへ移転する場合、ホームページが正常に動いているうちのほうが作業を進めやすいことがあります。
なぜなら、
- 現在のホームページを確認できる
- 正常なデータを取得しやすい
- バックアップを作成できる
- 新旧環境を比較しながら動作確認できる
- メールやドメインの設定を事前に整理できる
からです。
一方、完全にサイトが動かなくなったあとでは、
「どの状態が正常だったのか分からない」
「バックアップもない」
「古いサーバーに接続できない」
ということもあります。
特に会社のホームページでは、サーバー移転に伴ってメール設定が関係することもあるため、事前の確認が重要です。
いきなり移転するのではなく、まず現状確認から
「古いサーバーは危険らしいから、すぐ引っ越そう」
と慌てる必要はありません。
まず確認したいのは、
- 現在利用しているサーバー
- 契約者や管理者
- ドメインの管理状況
- PHPのバージョン
- WordPressやCMSのバージョン
- 使用中のプラグインやテーマ
- SSLの状態
- バックアップの有無
- メールの利用状況
などです。
現在の状態が分かれば、
「そのまま利用できる」
「一部だけ更新すればよい」
「そろそろサーバー移転を考えたほうがよい」
といった判断がしやすくなります。
サーバー移転そのものが目的なのではなく、これからも安全にホームページを運営できる環境を作ることが大切です。
「誰が管理しているか分からない」場合は?
中小企業のホームページでは、
「10年前に作った会社の名前が分からない」
「当時の担当者が退職している」
「サーバー会社は分かるけれど、ログイン情報がない」
「ドメインを誰が契約しているか分からない」
ということもあります。
このような場合でも、分かる情報から少しずつ整理できることがあります。
たとえば、
- ホームページのURL
- サーバー会社から届いているメール
- 過去の請求書
- ドメイン更新の案内
- WordPressのログイン情報
- FTPやサーバーの接続情報
などが手がかりになります。
すべての情報がそろってから相談する必要はありません。
「何が分からないのか分からない」という状態から、現在の管理状況を一緒に整理していくことも可能です。
まとめ:「今は動いている」うちに、一度状態を確認してみませんか?
古いサーバーを使っているからといって、すぐにホームページが壊れるわけではありません。
しかし、
- PHPが古くてWordPressを更新できない
- CMSやプラグインに脆弱性が残っている
- サーバーの仕様変更で突然動かなくなる
- 表示速度が低下している
- 感染や改ざんのリスクが高まっている
といった問題が隠れていることがあります。
そして一番困るのは、
「ホームページは動いているけれど、誰も現在の管理状況を把握していない」
という状態です。
問題が起きてから慌てて相談先を探すよりも、正常に動いているうちに、
「今どんなサーバーを使っているのか」
「WordPressやPHPは更新できる状態なのか」
「バックアップはあるのか」
「もしトラブルが起きたら誰が対応するのか」
を確認しておくと安心です。
「サーバーが古いと言われたけれど、何をすればいいか分からない」
「ホームページを作った会社と連絡が取れない」
「管理情報がどこにあるのか分からない」
「移転したほうがいいのか、そのままでいいのか判断できない」
そんな場合は、まず現在のホームページとサーバーの状況を整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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