
「問い合わせフォームからの連絡が増えたのはいいけど、
開けてみたら“営業”ばかりで疲れる…。」
「一見まじめそうな問い合わせだったのに、返信したら売り込みだった…。」
——そんな経験、ありませんか?
問い合わせの数は増えても、“本当に見込み客なのか”が分からない。
判断を誤ると時間も気力も削られ、担当者が疲弊してしまいます。
この記事では、
ホームページから届いた問い合わせが「本物」か「営業・スパム」かを、
無理なく・短時間で見分ける方法をご紹介します。
1. 「本物らしさ」はメールアドレスに表れる
まず注目すべきはメールアドレスです。
差出人情報は“信頼度チェック”の第一歩。
▶ 信頼度が高いアドレス例
@company.co.jp/@example.jpなどの独自ドメイン- 実在企業名と一致するドメイン(例:
@matsuda-kogyo.jp) - 氏名+会社ドメインの組み合わせ(例:shimei
@)example.co.jp
こうしたメールは、企業からの正規な問い合わせの可能性が高いです。
▶ 注意すべきアドレス例
- フリーメール(
@gmail.com、@yahoo.co.jpなど) - 意味不明な文字列(例:
abc123xyz@gmail.com) @outlook.comや@icloud.comなど、海外からの営業でよく使われるドメイン
もちろん、個人のお客様の場合はフリーメールも普通に使われます。
法人問い合わせか営業メールかの判断をつけるために、
次のポイントもあわせて確認しましょう。
2. “文体の特徴”で営業メールを見抜く
文章の内容や言い回しには、営業・スパムの特徴がはっきり出ます。
▶ 営業・スパムメールに多い文面パターン
| パターン | 例文 | 特徴 |
|---|---|---|
| 抽象的な褒め言葉 | 「御社のサイトを拝見し、素晴らしいと感じました。」 | 誰にでも使えるテンプレート文 |
| サービス提案型 | 「SEO対策でアクセス数を伸ばしませんか?」 | 販売・勧誘目的 |
| 無関係な商材 | 「太陽光発電の導入を検討されていませんか?」 | 業種に関係ない内容 |
| 不自然な日本語 | 「当社は御社ビジネス成功の協力を期待しております。」 | AI生成・海外業者の可能性 |
💡 ワンポイントチェック
文面に「御社サイト」「SEO」「マーケティング」「コンサル」「提携」などの“営業キーワード”が入っていれば、9割は営業メールです。
▶ 信頼できる問い合わせの特徴
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 内容が具体的 | 「◯◯のサービスを導入検討しています」「◯月中に相談したい」 |
| 自社名・担当者名の記載 | 「株式会社◯◯の田中です。」など明確な署名 |
| 自社サービスと関連 | 業種・地域・内容が一致している |
本当に問い合わせたい人は、何を・いつまでに・どんな目的で連絡してきているかがはっきりしています。
3. 送信元情報で「営業パターン」を見分ける
営業スパムは「自動送信」や「外部委託送信」をしている場合が多く、
送信元情報にも共通点があります。
▶ 送信元チェックリスト
| チェック項目 | 信頼度の目安 |
|---|---|
| IPアドレスの国 | 海外(特にUS・CN)は営業率高め |
| 送信時間 | 深夜2〜4時台は自動送信の可能性あり |
| メールのヘッダー情報 | “via sendgrid.net”など外部送信システムが多い |
| フォームURL | /contactではなく独自URL経由(例:/form/send/marketing/)だと営業送信ツール使用の可能性 |
→ CMS(WordPressなど)のフォームプラグインによっては、
管理画面で「送信元IP」や「国コード」を確認できます。
見慣れない国からのアクセスが続く場合、スパムブロック設定を強化しましょう。
4. 疲弊しない!現場で使える「3段階フィルタ」
忙しい担当者が、1通1通に時間をかけるのは現実的ではありません。
まずは次の3ステップで“自動仕分け+簡易判断”を組みましょう。
▶ ステップ1:自動フィルタで「怪しい文言」をブロック
フォーム設定またはメールルールで、
「SEO」「広告」「営業」「提携」「コラボ」などを含む件名・本文を自動振り分け。
▶ ステップ2:メールアドレス+文体でスクリーニング
- 独自ドメインか?
- 内容が具体的か?
- 営業・提案文が目立たないか?
ここまでで8割のスパムを除外できます。
▶ ステップ3:迷ったら“返信用テンプレ”で確認
以下のようなテンプレートを使い、返信してから判断する方法もあります。
✅ 確認用テンプレート
お問い合わせありがとうございます。
ご依頼内容をもう少し具体的にお聞かせいただけますか?
・ご担当者名
・御社名/所在地
・具体的なご相談内容
をご返信いただければ、担当より折り返しご案内いたします。
→ 営業やスパムは、これを送ってもほぼ返信してきません。
5. 最後は「仕組み」で防ぐ
人の判断に頼ると、疲弊します。
スパムを“人が見て判断する前に”減らす仕組みを整えましょう。
▶ 技術的対策
- reCAPTCHA(リキャプチャ)を導入
- 特定キーワードを自動拒否
- 送信回数制限(同一IP/短時間)
- スパム対策プラグイン(WordPressなら「Akismet」「Invisible reCaptcha」など)
▶ 運用ルールの整備
- 営業・スパムは返信しない・URLを開かない
- 判断に迷う場合は複数人で共有して判断
- 問い合わせメールは専用アドレスに集約し、他の業務メールと分離
まとめ:
「疑って疲れる」より「仕組みで守る」
問い合わせ対応は、企業の信頼を築く大切な仕事。
でも、すべてを人の判断に任せると、担当者が消耗してしまいます。
✅ メールアドレス・文体・送信元の3点で判断
✅ 自動フィルタで一次防御
✅ テンプレで確認、返信は“確実に本物”にだけ
「反応したら営業だった…」をなくす仕組みを作ることが、最も効果的な対策です。
