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海外からの謎の営業メール…無視でOK?それとも対応すべき?

海外からの謎の営業メール…無視でOK?それとも対応すべき?

 
英語・中国語・AI生成系スパムへの安全な対処法

「突然届く海外からの英語メール。うちに関係あるの?」
「AIっぽい定型文の提案が毎日くる…どう捌けばいい?」

結論から言うと、ほとんどは“無視でOK”です。
ただし、稀に正規の問い合わせが混じることもあるため、最短60秒で真偽を見分け、社内の工数を消耗しない運用に切り替えましょう。


なぜ増えている?最近の“自動スパム”の正体

  • ボット大量送信:問い合わせフォームや公開メール宛に機械的に一斉送信
  • AI生成文の普及:それっぽい日本語・英語の営業文が量産可能
  • 安い労力・高い拡散:1通でも食いつけば“回収”できる、いわば数撃ちゃ当たる戦法

特徴的な文面の例

  • “We reviewed your website and found issues with SEO…”(誰にでも当てはまる一般論)
  • 「弊社は世界有数の…」「Googleパートナーです…」(根拠のない権威づけ)
  • 署名に固定電話・住所がない/ドメインが使い捨て
  • 見積額が異様に安い/超短納期 を強調

まず判断:無視でいい?対応すべき?(決定フロー)

A. 次のどれかに当てはまれば“無視”でOK(推奨)

  • 宛名が「Dear Sir/Madam」など汎用的、自社名・担当者名の記載なし
  • 自社事業と一致しない提案(例:工務店に仮想通貨投資勧誘)
  • 差出人ドメインがフリーメール/使い捨て/企業サイトが存在しない
  • 返信を急かす/QR・添付を開かせる/外部URLへ誘導が主目的
  • 添付(.zip、.exe、.xlsm)や短縮URLが入っている

B. 迷う場合は“保留”→セーフチェック(60秒)

  1. 送信ドメイン(@以降)を確認:企業サイトと一致?
  2. 企業名で検索:実在?代表者・住所・過去実績は?
  3. メール署名:住所・電話・担当者名等の一意な手掛かりは?
  4. 受信理由の明記:当社のどのページを見て、なぜ当社に? が書いてある?
    → 1つでも黒なら無視。全部白でも、返信は自社の公開情報内で完結(後述テンプレ参照)

C. 正規の可能性があるケース(返信検討)

  • 既存取引先の海外拠点/越境ECや輸出入での問い合わせ
  • 展示会・商談会後のフォロー(担当者名・会期・ブース番号など具体)
  • 自社サービスと明確に合致し、求める要件・予算感・希望納期が書かれている

絶対やらないこと(セキュリティ最優先)

  • 不審メールの添付を開く/リンクをクリックしない
  • メール本文内の「購読解除(Unsubscribe)」を押さない(アクティブ判定される)
  • 署名にあるQRコードを読み込まない
  • 業務PCで検証アクセスをしない(どうしても確認する場合は隔離端末+VPN)

安全・省力化のための“返信テンプレ”(必要時のみ)

日本語(丁寧にお断り)

件名:Re: お問い合わせの件
〇〇様
このたびはご連絡ありがとうございます。
大変恐れ入りますが、当社の業務範囲・現状の計画と合致しないため、今回は見送らせていただきます。
今後のご提案はウェブサイトの「お問い合わせ」フォームから、ご要件・ご予算・希望納期をご記載の上、具体的な実績URLとともにお送りください。内容により検討いたします。
何卒ご了承ください。

英語(ポライト拒否)

Subject: Re: Your Inquiry
Dear [Name],
Thank you for reaching out. Unfortunately, this proposal does not match our current scope and schedule.
If you wish to be considered, please submit via our website contact form with project scope, budget range, timeline, and relevant portfolio links.
Best regards,

※ テンプレ返信は“見込みがあると判断した時だけ”。基本は無視してOKです。


迷惑メールを“減らす”ための技術的対策(担当者チェックリスト)

メール側(ドメイン・受信)

  •  SPF/DKIM/DMARC を正しく設定(なりすまし対策)
  •  メールサーバー/Google Workspace の迷惑メールフィルタ強化
  •  国別・言語別フィルタ(英語/中国語の特定語を低優先に)
  •  添付の実行形式(.exe、.js、.scr、.cab、.bat、.vbs)は受信拒否
  •  キーワードルール(“SEO”“crypto”“investment”“guest post”等)で自動ラベル

問い合わせフォーム側(Web)

  •  reCAPTCHA v3 導入(スコア閾値を段階調整)
  •  ハニーポット(人間には見えないダミー入力)
  •  送信間隔制限/同一IP・UAのレートリミット
  •  noindexでフォームURLのクローリング抑止
  •  「営業提案はこちら」など営業専用フォームを分離(通常問い合わせを保護)

運用側(体制)

  •  一次審査担当を決め、60秒セーフチェックで振り分け
  •  疑わしいメールは転送禁止(ヘッダ情報ごとスクショ共有)
  •  隔離用デバイス(検証端末)を準備
  •  月次で迷惑メール件数を可視化(対策の効果測定)

“AIっぽい営業文”の見抜きポイント(5秒チェック)

  • 文体が過度に丁寧で抽象的/異常に整っているが中身がない
  • 固有名詞が薄い(御社名・担当名・URLの具体参照がない)
  • 地名・日時の不自然さ(時差無視・日本の祝日を無視)
  • 署名の体裁は立派だが住所・固定電話・会社登録情報が欠落
  • 返信を促す強い行動喚起(「本日中」「即時」)だけが目立つ

→ 1つでも当てはまれば“無視”に寄せる、が時短のコツ。


よくある質問(FAQ)

Q. 海外からの問い合わせは全部NGにすべき?
A. 越境ECや観光業など、ビジネス次第では機会損失になります。営業・要件・予算の具体性があるかで判断を。

Q. 解除リンク(Unsubscribe)を押せば止みますか?
A. 絶対に押さないでください。アドレスが“生きている”と判断され、増える可能性が高いです。

Q. 迷惑メールを開いてしまった…
A. リンク・添付を開かなければOKが原則。開いた場合は社内ルールに従い報告・隔離・パスワード変更を。


まとめ:原則“無視”、例外は“60秒チェック”で見極め

  • 9割は無視でOK(テンプレ拒否は最小限に)
  • 迷う時は60秒セーフチェック(ドメイン・実在・具体性)
  • 技術+運用+体制で受信を減らし、担当者の時間を守る
  • 正規案件の可能性があるときだけ公開フォーム経由で再入力を依頼

“返信しない勇気”と“仕組み化”で、迷惑メールのストレスを最小化しましょう。


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